シカゴの四つ玉

大したことは書いてません オタクが暴れています

アームドレモン

あまり歓迎できないことがあって正直すごく疲れているので今日一番胸アツだったことを記して寝ようと思う。

明日文化祭があって今日はその準備だった。私はサークルの人らと一日割り当てられた教室で色々やっていた。

そのサークルだが春先に少し色々あって、要約するとみんなから嫌われている先輩がみんなから好かれているサークル長をいびり出すというかなりキツい事案があった。突然サークルのグループラインを抜けたサークル長、騒然となる一同、自分がいびり出したことに気づかず「戻っておいでよー」という底辺の先輩、というこの世の地獄を見た。

しかし今日、みんなで準備をしていると元サークル長の先輩(以下大谷さん・仮名)がいた。もともとサークルに恨みはないのでサークルの普段の活動にもたまに顔は出してくださっていたのだが、まさか文化祭の準備まで来てくださるとは思っていなくてとても嬉しかった。

私は初めにたまたま大谷さんと一緒に作業をすることになって、流れでそのままわりとずっと一緒にやらせてもらった。慣れて手際のいい大谷さんの足を引っ張らないようにするのは焦るけど楽しかったし、久しぶりにゆっくり話ができてうれしかった。

途中一緒に外を歩いていて、車を見た大谷さんが「俺もばあちゃんの車譲り受けたかったんだけど、維持費がバイトしても払えないらしくて諦めたんよね」とおっしゃった。そうなんだ、大変やな、と思ったので「そうなんですね、世知辛い話ですね…」と言った。そしたら大谷さんが「でも俺こないだバイクの免許取ったん!12万かかったけど、貯金してたから平気なんよ。今度バイク買いに行くんや。一人旅にも行けるよ!」と目を輝かせておっしゃった。

泣きそうになった。この世の良いものが詰まりすぎていると思った。これを書いている今もちょっと泣きそうだ。何かを失う代わりに何かを得て、夢を叶えるって尊いなと思う。なんでこんなにひたむきな人が居場所を奪われないといけなかったのだろう。

そのあと大谷さんの家で資料を作っていて、ふとバイクのカタログを見つけた。心の底から良かったなあと思った。

それから、最後みんなで明日のリハーサルをしようという時、大谷さんが先輩に小さな声で「すいません、俺もう一回やってみたいんです」と言っているのが聞こえた。

めちゃくちゃ嬉しかった。もう一度大谷さんの活躍が見られるなんて思いもしていなかった。そしてやっぱり大谷さんは最高だった。あんな人になりたいと思った。

無理にサークルに戻ってきてほしいとは言わないけれど、私は何度でも大谷さんの活躍を見たい。今日から私は彼を推すことにする。