シカゴの四つ玉

大したことは書いてません オタクが暴れています

R-指定さんの即興ラップの韻ⅲ

今日も音楽ユニットCreepyNutsのMC・R-指定さんの即興ラップの韻を見ていこうと思います。

フリースタイルダンジョンで最近やってた「お家でモンスターの主張」みたいな回で披露されたものです。制限時間1分で各々の自宅からテレビ電話で今の世間に対する思いをフリースタイルで主張、オーガナイザーのZeebraさんに一番いいと認められた人は商品としてお肉券をもらえる企画です。

 

1分間のアカペラ こいつは片手間でやるわけねえな

全部ライブなくなった でもその俺は吸収できるようになった

球の調が最近いい 俺らが大人しくしてる

初めのブロック、「アカペラ」「片手間」の[aaea]、「ねえな」の[ea]で始まります。名詞以外の言葉で踏むのが好みなので「ねえな」でテンション上がりました。

2行目、文末の「なった」はもちろん、「全部」「ライブ」「分」「吸収」の[u]でテンポがよくなっているのもアツいですね。

続いても「地球」「調子」「最近」「いい」「しくしてる」「に」と、[i]がステルスに潜んでいて楽しいです。

 

じゃあどっちが病原菌か分からねえ でも病原菌の先輩として負けられねえ

このままで俺たちがつなぐ いやつなぐことできねえ

けどもやっぱりこの画越し 1枚のこの窓隔て好きなようにラップする

俺の おらの心の中

 続いてコロナについて色々述べつつ、細かく[e]が来ます。「~ねえ」「俺」「手」「面」「で」「隔て」「ぜ」「部屋」「お前」と、非常に自然で、かつリズミカルです。

「この窓」っていうのはウインドウズの比喩かな?と思ったんですが、以前CreepyNutsのラジオでマックブックの話を聞いたのでご本人は別にウインドウズではないのかもしれません。

 

好きなように言葉交わながらも今日 今必要なのきっと正しさよりも優しさ

そう俺の人の根やらしさがあふれてるぜ

1行目の「言葉交わ」「ながら」「なのは」と[a]が続きます。「今必要…」は個人的にはいわゆる「自粛警察」への皮肉かと思ったんですが、時系列的にはこの番組の方が先かもしれません。Rさんは世の中の騒乱を見越していたんですかね。

「正しさ」「やさしさ」「やらしさ」の[aaia]と、「人間」「根源」もガチっと踏んでます。特に後者はRさんも明らかに強調していました。

 

100年ぶりくらいにした自炊 ほうれん草のおひたし

俺こんなことできるらしい 新しい自分を再発見

いまだに脳内探検 毎日ペン持って音とも格闘

自分のやること自分の持ち場で また会えるその日まで

「くらい」「おひたし」「らしい」「新しい」「いまだに」の[ai]、「~中」(特に「再発見中」「探検中」は[aeu]でがちがちに踏んでます)でシンプルに踏んでいます。どちらかというと文の中身に重きをおいている印象です。

ラスト「の持ち場で」「その日まで」の[ooiae]で恐ろしいくらい美しく踏んで終わります(Zeebraさんによる時間切れ強制終了という形ではあります)。

 

本当にこれだけの韻を即興で詰め込めるのは経験値と才能の賜物だと思います。こんなすごい人と同じ時代を生きられて良かった、リアルタイムでこんなに分析できるって嬉しいと切に感じます。ありがてえ。

今回はこれで終わりです。番組では呂布カルマさんなど他の人もラップしてたので気になる方は一度見てみてはいかがでしょうか。(有料ですがAbemaで過去回が見られます。2週間なら有料コースを無料でお試しできます)

 

気力があればまた「テッパンいただきます」の別の回も分析したいなあと思います