シカゴの四つ玉

大したことは書いてません オタクが暴れています

あの日のピーチジョン、こじはると俺

今こそ全人類に問いたい。ピンクと黒の組合せって、エロないすか?

さらに問いたい。ピンクと黒の入った下着って、メチャクチャエロないすか?と。

僕は童貞なんですが、この二色の組合せははちゃめちゃドスケベ大番長だと思っています。いつか横目に見たピーチジョンのカタログ、表紙のこじはる。彼女のファンではないのですが、僕は彼女のまとったさわやかなピンクに黒レースの下着にくぎ付けになってしまいました。

白い肌のきめ細やかさにしっくり馴染む淡い桃色、その清純さをかき消すような漆黒のレース、そしてその透け。えっ………????????エロすぎでは……???

あの日から月日が過ぎ、先日僕は母親に連れていかれた服飾店の女性用下着コーナーでこじはる、いや彼女の着けていた下着に限りなく近いものを見つけた。

世界一ドゥエッチな下着だった。とても、欲しかった。幸いにも僕は見た目では女性に判断されることもできるため、(実際には性別という概念は僕にとってはナンセンスなのだが)購入することはできた。でも、しなかった。

だって、あまりにもクソスケベすぎたから。もはや手に取るのもちょっとはばかられるくらいだった。僕にできるのはいつの日か僕の前にあんな扇情的にも程がある下着を着けたヒトが現れた時の心の準備くらいだ。

僕、童貞やけど。

マインクラフトを試遊した話

持っているノートパソコンにマインクラフトの体験版が入っていたので、遊んでみた。

あの…楽しすぎませんか…?というのが率直な感想である。

そもそもいつも格闘ゲームの話をしている私がなぜ、しかも今更マインクラフトを遊んでみようと思ったのか。暇つぶしにYoutubeを見ていて「よゐこのマイクラでサバイバル生活」というシリーズの動画にドはまりしたからである。課長と獲ったどーのおっちゃんが慣れないシステムに悪戦苦闘する様子は非プレイ勢の私から見てもとても面白く、マイクラやってみてぇーーー!という気持ちが起こった。

この動画のどこが一番良かったかというと、プレイしている二人ともが初心者であるというところだ。もう遊んだことがある人は「あぁー、こういうことあるよなー」と初心者あるあるを噛みしめられるだろうし、私のように遊んだことがない人はお二人と同じ知識でのスタートなので一緒に遊んでいるような気持ちになれる。

関係ないが私は他人が慣れないことに挑戦させられているのを見るのはあまり得意ではない。芸能人がやったことのないスポーツに挑戦してプロに一本取ってみようみたいな企画も面白いと思ったことがないし、人が苦しむ姿を見てニコニコできるほど屈強なサディズムも持ち合わせていない。

でもこの企画はゲームだ。うまくいかなくてもやっていることがもともと遊びなので気楽に観られる。出演者も楽しんでいてこちらまで笑顔になるのもとてもポイントが高い。

よゐこさんの番組は他のゲームにも挑戦しているので、是非任天堂公式ユーチューブチャンネルから見て欲しい。

マインクラフトの感想に移ろう。楽しすぎるとさっき書いたがどう楽しいのか。

やり込み要素が多い。

基本システムとして私たちプレイヤーは難易度を選べる。詳しくないが、サバイバル(敵との戦闘あり、体力は自分で回復しないと死亡する)からピースフル(敵がいない、体力は自動的に回復する)まであった気がする。

サバイバルだと食べ物を調達する必要があったり敵から身を守らないといけないが、その代わり敵が落とす特殊なアイテムが手に入る。ピースフルは食べ物もいらないし敵も出ないので、どっちかというとフツーの生活ゲームに近くなる。

また、タイトルにある「クラフト」をうまくできるかによってこのゲームの彩度は大きく変わる。アイテムを集めて「クラフト」し、新たなアイテムを生み出す。そのアイテムでまたクラフトして…と、生活水準を上げる便利なシステムである。

ここまでの説明だと、「どう…つの森」とか「牧場…語」の上位互換なんじゃないの?と思う人がいるかもしれないが、マインクラフトは上記のようなゆるゲーと違い明確な戦闘要素(もちろん戦闘しないという選択もできる)がある。初めに立ち降りる世界とは別に「地獄の世界」みたいなものが存在していたり、頑張れば地下や海中の遺跡を見つけて探検できる。そこには強い敵が出現し、武器がないとほぼ勝てないようになっている。

要するにゆるゲーあり、RPG要素あり、アクション要素ありの楽しいバーリトゥードなんである。

私はPC版で試遊したので他のハードのことは分からないが、90分間の体験版でもメチャクチャ面白かった。もし今年のクリスマスか来年のお年賀でスイッチが安かったらマインクラフトのソフトと共に買おうかと検討している。PCは課金の方法が分からないし動作が重くなりそうなので今のところ買う予定はない。いつか石油王になったらALIENWAREかG-Tuneのゲーミングパソコンでマイクラをやるのが今の私の野望である。

ライチ☆光クラブを科学する

昨日はその道では有名なエログロ漫画・少女椿の話をしたわけだが、今日もエログロ漫画の話をしたい。タイトルにある「ライチ☆光クラブ」である。

同作は作者が見た「ライチ光クラブ」という舞台を原作としていて、設定に一部共通点が見られる。(正直違う部分も多いし、何より当時の公式な映像が残っていないので無理して原作を見ようと思わなくても良いと思う)

あらすじとしては、カリスマ性の高い少年・ゼラを中心に秘密基地を共有しあう光クラブの面々が織りなす残酷活劇、といったところだろうか。主人公の光クラブのみんなは全員同い年で螢光中学という男子校に通っている。やがて光クラブのメンバー以外は立ち入ることすら許されなかった基地に一人の女の子と一機のロボが入ることになる。そして運命は変わり始めるのだ。

詳しく言うとネタバレまみれで大変なことになるのでこんな書き方しかできない。とても歯がゆい。

でもある程度の雰囲気はみんなもっと知ってほしいので、愉快な登場人物たちを紹介しようと思う。軽いネタバレ要素、かつ人を選びそうなものは白反転してあるので、気になる人は見ればいいのではなかろうか。

一人目、ゼラ。カリスマ性を持ち、ロボットを設計できるレベルの頭脳を持った冷静沈着な少年。バイセクシャルの描写がある

二人目、ニコ。とあること(外伝で発覚する)をきっかけに片目を失った。厚い忠義心を持つ。

三人目、雷蔵。いわゆるオネエ系であり、裁縫が得意。中性的で可愛らしい顔立ち。

四人目、カネダ。根暗な感じだが分別があって思慮深く、また心優しい。

五人目、タミヤ。長身のイケメンで、正義感が強い。妹ととても仲が良い。

六人目、ダフ。作中では明かされない何らかの事情でずっと眼帯をしている。性に対し強い興味を持つ。スターシステムのもと、本名で同じ作者の別作品である「帝一の國」に登場する。

七人目、デンタク。ゼラと共にロボットを設計し、電卓を使いプログラムを組んだ。

八人目、ヤコブおちゃらけていて、光クラブでほぼ唯一の純粋なボケ担当。

九人目、ジャイボ。中性的で、雷蔵と同じくらい整った顔立ちだが雷蔵よりは男性に近く美少年といった感じに描かれている。男性愛者で、ゼラとのラブシーンがある

以上が光クラブの基本メンバーである。キャラの濃さが分かっていただけただろうか。

そしてある事件を経て光クラブに入ることになった少女・カノン。絶世の美少女であるかのような描き方をされている。ピアノが得意。

最後は光クラブで作られた機械、ライチを紹介する。名前の通りライチを動力源として動き、電卓でプログラミングされている。

さてこの十人と一機が織りなす物語は華やかで、美しく、とても残酷なのである。絵も作者の古屋先生独特のタッチで、繊細で耽美な雰囲気がガンガン伝わってくる。

また、この作品の表には語られていない設定でどうしても私の心に刺さったものがあるので白反転で記しておく。今までもいくつか軽いネタバレ要素に白反転は使ってきたが、今回は漫画を読んでからの方が「そうだったのか~」となると思うので本当に気になる人かすでにストーリーを知っている人は反転してみるといいと思う。

全員が貧しい労働者の子、かつ童貞であるということである。

この漫画に出会った頃の私はこの登場人物たちに非常に親近感を覚え、ライチを読み返してはぼーっとしていいなあこの漫画、と思っていた。光クラブの面々(というよりゼラ)に強く根付く「大人は汚く、それに対し成長途上である自分たちこそ崇高で清廉である」という思想は個人的に善悪すっ飛ばして好きか嫌いかでいうと、わりと気に入っている。(このような思想を推進しているわけではありません、私の性癖としてどうとらえるかという話です)

とにかくエログロだけど気になったら漫画を読んでみて欲しい。舞台や映画などの映像作品はじっくり見ていないので言及を控えるが、もし俳優さんをきっかけに舞台や映画を観て原作に手を出そうか迷っている人がいるならぜひ読んでほしい。あなたの推しが見つかりますように…

 

少女椿は最高

少女椿」という漫画をご存じだろうか。エログロで有名な丸尾末広先生(ちびまる子ちゃんの丸尾君の名前のモデルでもある)の代表作であり、なかなか人を選ぶがハマるところには滅茶苦茶ハマるタイプのやつである。

主人公はお母さんを失い天涯孤独になった小学校くらいの少女・みどり。彼女は筋肉少女帯の歌のテーマになっており、その歌からエヴァンゲリオン綾波レイのイメージができたともいわれている。エヴァより知名度こそ低いが実はネタ元なのだ。

しかしエヴァに詳しくない身で恐縮だが、みどりちゃんと綾波レイは全く正反対の性格に思える。綾波レイは多分物静かでおとなしい人のように見えるが、みどりちゃんは全然おとなしくないし賢くて我が強い。強いて共通点を挙げるならミステリアスな雰囲気と冷静な思考くらいだろうか。

みどりちゃんはおとなしくなくて賢くて我が強いと書いたが、彼女の置かれた状況を鑑みるとそりゃそうなるよという感じだ。彼女は天涯孤独になった末見世物小屋のオーナーに拾われ、見世物小屋の演者として他の演者たちとともに暮らすことになるのだ。見世物小屋と言っても立ち上がる犬とか猿回しとかほのぼのしたやつでなく、蛇使いとか火を噴くびっくり人間とかガチのやつである。

以下、個性が強いみどりの同僚を紹介していく。

一人目はオーナー。彼に芸はないのでわりとしょうもないこと(鍋をひっくり返して世にも珍しい生き物ベナと言い張るなど)をして出オチ担当に回っている。男性愛者で、後述するカナブンとデキている。

二人目は紅悦。おっぱいがでかい蛇使いのお姉さんで、何人かの男性演者と関係を持っている。オーナーを誘惑するがアウトオブ眼中の扱いを受けたことがある。

三人目は赤座。怪力自慢の大男で、今入っている一座以外にも交友関係を持つ。紅悦と関係を持っていた。

四人目はカナブン。男性器も女性器も持つふたなり、また火を噴くという芸を持つ。オーナーとデキている。

五人目は鞭棄。両腕がなく、足で物事を行うという芸を持つ。紅悦と関係を持ったことがあり、なおかつアラサーだがみどりのことを性的に意識している。

主な初期メンツはこの五人で、みどりには割ときつく当たり雑用を押し付けていた。まず同僚間で肉体関係がズッブズブな時点でヤバの波動しか出ていないし、なおかつみどりちゃんが各人のラブシーンを目撃しているのである。私がみどりちゃんなら何が何でも他の就職先を探すと思うので彼女はマジですごいと思う。しかもみどりちゃんは他の演者からご飯を抜かれていびられた際尻の穴から虫が出た話をして演者の食欲をそぎ余った飯をもらうなど、生活力の高さは常人離れしている。とにかく強い。

そんないびりとセックスにまみれた一座のもとに超新星ともいえる男が降臨する。小人の奇術師、ワンダー正光である。

ワンダーはみどりのことをよく気にかけ、一座とは一線を画す技術の高さを盾にして一座のリーダー的存在へとのし上がった。したがってみどりの地位も上がっていった。それと同時進行でワンダーはみどりちゃんに思いを寄せ、鞭棄の存在を疎んでいく。

これ以上はいろいろネタバレになるので言わないが、とりあえず後味が悪いともとれる結末になっている。バッドエンドに故郷の村を焼かれ親族を殺された方は読まないほうが良いと思う。

個人的には漫画は絵柄が変わったり色々濃ゆすぎるのでアニメがおすすめである。非正規な方法でしか見ることができないが、さくっと見られるのも良い点だと思う。声も各人のビジュアルに非常によく合っていて、見ていて違和感がない。

数年前に実写映画も公開されたが、漫画もしくはアニメを見た人からするとカナブンに違和感しか感じないと思う。私は元々漫画とアニメのカナブンが好きなので実写が気に食わないこと、またもう一人の推しである鞭棄がイメージと違う雰囲気をしていたことを理由に見ていない。

また、映画とは別キャストで舞台にもなっているのだが、ビジュアルの再現具合はそちらのほうが高かったように思えた。特にカナブンの中性的な感じと鞭棄のシュッとした感じは私の好みに合っていた。

もうここまで解説したら合う人は何それ読みたい!ってなっていると思うし合わない人はとうの昔にブラウザバックしていると思うので、とりあえず少女椿は良いぞとだけ言っておく。

サカナクション「ミュージック」考

サカナクションが好きだ。ベストアルバムは実家のウォークマンに入っている。

その中でも私が一番好きな曲は「ミュージック」だ。

歌詞の世界観も曲調も全部好きだし、いい思い出しかない曲だ。

歌詞は空高く飛ぶ鳥や脱ぎ散らかした服に思いを馳せる寂しく弱くだらしない「僕」と少し離れたところにいる「君」の二人の対立であり、僕の独白という形式をとっているように思われる。

一番の「鳥」は故郷から出てきたばかりの若者を比喩しているのかもしれない。街に馴染めず鳴き声を上げるが街は助けてくれるわけではないのだ。ということは「僕」も上京してきたばかりの若者なのかもしれない。

厳しい「僕らの言葉」は川を流れて「君の住む町」で「消えた」と言われているが、

ここでの「僕ら」って誰なんだろうか。英語でいうところの「You」(みんな、と言いかえることが可能)か、「Us」(語り手を含めた集団)のどちらかだとは思う。ただUsだと「僕」も厳しい言葉を「君」の居る方へ流していることになる。彼がいくら弱くてだらしなくても「君」を傷つけることが合ってはいけないと思うので、私はYou説をとる。

また、言葉は「消えた」というより「僕」が「消した」のではないかと思っている。「君」がすれた言葉で傷つかないように、君が住む町に辿り着く前に「僕」が一生懸命消したんではなかろうか。コーラスの「マダミエテナイ」や「マダミエナイカラ」というのも、「僕」が「君」に向かって念じている言葉だと考えた。

二番冒頭、「僕」の生活は荒んでいる。髪は乾かしたくない、服も脱ぎっぱなしである。

そして「僕」は重大なミスを犯す。すれた僕の独り言が「君」に届いてしまったのだ。最初「ナイテハイナ」かった「君」が「ナイテイタ」のである。

最後に「僕」の自己嫌悪、およびそれを受けて今後こうしていきたいという決意表明が描かれている。だらしなく弱い「僕」であることに変わりはないものの彼にはやるべきことが見つかった、というそれなりのハッピーエンドになっている。

疲弊し、荒み、失敗し、反省し、立ち直るというなかなかな起承転結のハードストーリーが一つの曲の中に詰まっている。これってすごくないか。

それに曲調もとても歌詞に合っている。初めは電子系の規則正しいリズムで淡々と僕の語りを進め、サビで急にメロディと言えるような音の流れが生まれる。しかしサビの後半ではまた初めのようなリズミカルな感じに戻り、歌詞のシンプルさを邪魔しない作りになっている。一番二番と上記のような構成で、最後(Cメロというのか?)が最も激しくなっている。「僕」の感情の移り変わりにとてもよく合っていて、これがこの曲のしっくりくる要因なのだろうと思わされる。やっぱりすごい。

サカナクションを褒めるのはここまでにして、これ以降は完全な余談として私のこの曲に関する思い出を話すことにする。興味がなかったらブラウザバックしてもらって構わない。

この曲を聴いたのはドラマの主題歌だったからである。倉科カナさん主演のレストランで頑張る人々の物語だったのだが、正直料理がおいしそうだったことしか覚えていない。現にストーリーの細かい所など全く覚えていないため「レストランで頑張る人々の物語」などというざっくりな書き方をしている。

でも主題歌がとてもとても良くて、良く晴れた日に蔦屋にCDを借りに行ったのを今でも覚えている。今調べたらワンコインだったので何で買わなかったのだろうと過去の自分に腹が立ったが、その当時は町内唯一のレンタルビデオ屋だった蔦屋でCD販売はしていなくて、CDを買うためには隣町まで行かないといけなかったということを思い出した。今度どこかで見かけたら絶対買おう。

あと今ウィキペディアを見ていたらこの曲に関する公式からのコメントが載っていてやや解釈違いを起こしていたけど、普通に曲を聴いているだけでは分からないと思うので私は私の解釈を書き留めておく。そもそも人間本当に伝えたいことがあるなら抽象的な言葉は使わないと思うので、この曲は聞いた人に解釈がゆだねられているタイプだと思っておく。

キリンジ「エイリアンズ」について(あまりいい考察ではない)

最近unchainさんというバンドのカバーでこの曲を知り、格好良いので本家もよく聞くようになった。

聞いたことのある人も多いだろうし、キリンジさんの代表曲と呼んでも言い過ぎではないだろう。

この曲の歌詞の世界観がどことなくやるせなくて大好きだ。初め「旅客機」で「ボーイング」と読ませるところや、「公団」や「バイパス」の単語で絶妙な田舎の質感をぴったり描写しているのがグッとくる。私は公団と言うと「団地ともお」みたいなあの感じをイメージするし実家の周りにバイパスがあるので、歌詞の世界と心象風景みたいなものをうまく重ねられる。

私はこの曲の主人公はどこか街に馴染めないはみ出し者の二人組だと思っているし、いくつかある先人の皆様の考察の中では同性愛者の男性カップルという説を支持している。

それをふまえて申し上げると私個人としては、倫理的に良い悪いは置いておいて主人公は「家族の元を離れただらしない男性としっかり者の女の子」だと勝手に思っている。彼らは家出した兄妹かもしれないし勘当された親戚のお兄ちゃんと女の子かもしれないし、誘拐犯と誘拐された子である可能性も理論上はあり得る。

泣いているダーリンをそっと慰める幼い母性、はるか遠い地を夢見て自分たちに懸命に魔法をかけようとする無垢さを感じずにはいられなかったのである。

しかしここで私は前半と後半で語り手が変わっているのではないかと考えた。後半の主人公は男性で、自分の短所をジョークにしてしまう哀しさ、情けなさみたいなものを持っている。また、先ほど述べた主人公ゲイカップル説の根拠は一人称が「僕」かつ二人称が「ダーリン」であることだと思うのだが、私は男性が女の子に自分のことをダーリンと呼ばせるために自分も女の子をダーリンと呼んでいるのではないかと推測する。

きっと女の子のないものねだりも男性からの口づけで解決されるし、彼らは暗いニュースが世に出る前にラストダンスを踊るのだろう。

ここまで書いてきたら今まで出してきた中でもダーク目な説、勘当された親戚や誘拐犯と被害者説の方が合っているまでありそうかなという気もしてしまった。暗いニュースが出たら彼らはダンスができないんですよ?

無茶な夜明かしをした話

前にゲームイベントを手伝った話をしたが、そのイベントは24時で終わりだったため私は友達と夜を明かさないといけなかった。

カラオケが見渡す限り滅茶苦茶たくさんあったのでどっかには入れるよなーと気楽に構えていたら、繁華街だったこともあり多くのお店が満室になっていた。カラオケ、ネカフェ合わせて五店舗くらいで断られて(私たちの他にも断られた人はたくさんいた)野宿を覚悟しているところでとあるカラオケ店で「待ち時間0分」の看板を見つけた。神の到来を感じ、吸い寄せられるように店に入って気づいたら伝票を持って部屋の前に立っていた。

後から友達に聞いたらほぼ最後だったようで、良かったーーーー!!!と思った。部屋のクソ狭い皮椅子に友人と二人身を横たえ、テレビの光を遮り音響をミュートにして寝た。といっても近くの部屋で延々歌う人がいるし泥棒も怖いしでなかなか寝られず、半分睡眠半分覚醒くらいの状態で料金プラン約六時間を過ごした。

朝六時、アラームで泥のように重い体を起こし部屋を出た。外はまだ夜明け前で何が何でも歩きたくないような寒さだったので、とりあえずどこか開いてる喫茶店でモーニングでも食べようということになった。

でもコメダが開くまで一時間あった。せっかくならモーニングを食べたい、でも時間を潰す場所がないので仕方なく何となく歩き、どうしても店がなければ電車で帰ろうという感じになった。

飲み物を買ったりしながらあてもなくなんとなく歩いていたら、朝の六時からコンビニの前でカップ麺を持って佇むパリピがいた。人生って奥が深いなと思った。

あと繁華街のコンビニで早朝からパンを売っているお店があり、いかついお兄さんたちがにこにこしながらパンを選んでいた光景はしばらく忘れられそうにない。

ドン・キホーテが開いていたので暇つぶしに入ることにした。とにかく阿呆のように時間はあるので文房具からパソコン用品から美容家電からありとあらゆるコーナーを見た。個人的には店内のトイレ前とかエスカレーター近くの広告がすべてホストクラブのものだったのがおもしろかった。あと靴の中敷きをたたき売りしている中にまるで中敷きのような顔をしてホストの名刺が混じっていたのもなかなかハイライトだった。

関係ないけど鞄売り場で友達と二人どうしてもノースフェイスのことが思い出せなくて、最後「あ!ノースフェイスや!」と思い出してエスカレーターを降りた瞬間にノースフェイスを背負っている人がいてめちゃくちゃ驚いた。朝からいいもん見れたな…と思った。

ドンキが広すぎて普通にコメダが開く時間だったので、コメダに行った。わりと繁盛していたが無事静かな席に座ることができ、モーニング(友達は卵サラダ、私は小倉)とメニューを見て気になっていた芋モンブランとミニノワールを頼んだ。打ち合わせたわけでもなく飲み物が二人ともストレートの紅茶でウケた。

初め私の後ろのほうに座っていた家族がわりとデカい声で喧嘩しながら飯を食うておりなかなかモンドだったのだが、私としては息子であろう方の「38のおっさんが11歳にたしなめられて恥ずかしくないの?」という発言を推したい。

朝は普通の街なら民度が高いはずだが繁華街は夜を明かしたパリピが多く生息するため結構いいものを見ることができるというのがこのたび(旅・度)の発見である。吐しゃ物は見なかったが荒れアイテム・ポイ捨てされたスミノフの瓶を見られて満足だった。

それ以降特に何もなく、帰るには早いからぶらぶら東急ハンズジャンプショップを見て回った。ジャンプショップジョジョのステッカーとキラカードのセットが売っていたので私も友達も買ったのだが、私がラスボス、友達が主人公のセットを引き当ててとても面白かった。

最後どっか寿司でも食って帰るかー、ということで「駅から8分」の回転寿司を友達が探してくれたのでそこに行くことにした。しかし私はこの友人は全く地図が読めないタイプの人間であることを失念していた。手落ちである。

駅から歩いても全然着かないし、iPhoneのマップによるとあと1.9キロメートルあるらしい。「これ駅から8分やんな?」と友達に尋ねた。「う、うん」と友達は答えたし、多分「最寄駅から8分」だったんだと思う。しかし私たちの降りる駅は寿司屋の最寄り駅ではなかったのだ。現実は非情だ。頑張って1.9キロ歩き、到着が30分くらい遅くなり25分待つことになった。まあ座れたし、「カウンターでもよい」を選択したがテーブルになったので結果オーライだ。寿司も美味しく歩いて帰るのも食後の運動にもなったし、何よりもう友人に地図を任せてはいけないということを学ぶことができた。

とても面白い旅だった。ありがとうございました!