シカゴの四つ玉

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少女椿は最高

少女椿」という漫画をご存じだろうか。エログロで有名な丸尾末広先生(ちびまる子ちゃんの丸尾君の名前のモデルでもある)の代表作であり、なかなか人を選ぶがハマるところには滅茶苦茶ハマるタイプのやつである。

主人公はお母さんを失い天涯孤独になった小学校くらいの少女・みどり。彼女は筋肉少女帯の歌のテーマになっており、その歌からエヴァンゲリオン綾波レイのイメージができたともいわれている。エヴァより知名度こそ低いが実はネタ元なのだ。

しかしエヴァに詳しくない身で恐縮だが、みどりちゃんと綾波レイは全く正反対の性格に思える。綾波レイは多分物静かでおとなしい人のように見えるが、みどりちゃんは全然おとなしくないし賢くて我が強い。強いて共通点を挙げるならミステリアスな雰囲気と冷静な思考くらいだろうか。

みどりちゃんはおとなしくなくて賢くて我が強いと書いたが、彼女の置かれた状況を鑑みるとそりゃそうなるよという感じだ。彼女は天涯孤独になった末見世物小屋のオーナーに拾われ、見世物小屋の演者として他の演者たちとともに暮らすことになるのだ。見世物小屋と言っても立ち上がる犬とか猿回しとかほのぼのしたやつでなく、蛇使いとか火を噴くびっくり人間とかガチのやつである。

以下、個性が強いみどりの同僚を紹介していく。

一人目はオーナー。彼に芸はないのでわりとしょうもないこと(鍋をひっくり返して世にも珍しい生き物ベナと言い張るなど)をして出オチ担当に回っている。男性愛者で、後述するカナブンとデキている。

二人目は紅悦。おっぱいがでかい蛇使いのお姉さんで、何人かの男性演者と関係を持っている。オーナーを誘惑するがアウトオブ眼中の扱いを受けたことがある。

三人目は赤座。怪力自慢の大男で、今入っている一座以外にも交友関係を持つ。紅悦と関係を持っていた。

四人目はカナブン。男性器も女性器も持つふたなり、また火を噴くという芸を持つ。オーナーとデキている。

五人目は鞭棄。両腕がなく、足で物事を行うという芸を持つ。紅悦と関係を持ったことがあり、なおかつアラサーだがみどりのことを性的に意識している。

主な初期メンツはこの五人で、みどりには割ときつく当たり雑用を押し付けていた。まず同僚間で肉体関係がズッブズブな時点でヤバの波動しか出ていないし、なおかつみどりちゃんが各人のラブシーンを目撃しているのである。私がみどりちゃんなら何が何でも他の就職先を探すと思うので彼女はマジですごいと思う。しかもみどりちゃんは他の演者からご飯を抜かれていびられた際尻の穴から虫が出た話をして演者の食欲をそぎ余った飯をもらうなど、生活力の高さは常人離れしている。とにかく強い。

そんないびりとセックスにまみれた一座のもとに超新星ともいえる男が降臨する。小人の奇術師、ワンダー正光である。

ワンダーはみどりのことをよく気にかけ、一座とは一線を画す技術の高さを盾にして一座のリーダー的存在へとのし上がった。したがってみどりの地位も上がっていった。それと同時進行でワンダーはみどりちゃんに思いを寄せ、鞭棄の存在を疎んでいく。

これ以上はいろいろネタバレになるので言わないが、とりあえず後味が悪いともとれる結末になっている。バッドエンドに故郷の村を焼かれ親族を殺された方は読まないほうが良いと思う。

個人的には漫画は絵柄が変わったり色々濃ゆすぎるのでアニメがおすすめである。非正規な方法でしか見ることができないが、さくっと見られるのも良い点だと思う。声も各人のビジュアルに非常によく合っていて、見ていて違和感がない。

数年前に実写映画も公開されたが、漫画もしくはアニメを見た人からするとカナブンに違和感しか感じないと思う。私は元々漫画とアニメのカナブンが好きなので実写が気に食わないこと、またもう一人の推しである鞭棄がイメージと違う雰囲気をしていたことを理由に見ていない。

また、映画とは別キャストで舞台にもなっているのだが、ビジュアルの再現具合はそちらのほうが高かったように思えた。特にカナブンの中性的な感じと鞭棄のシュッとした感じは私の好みに合っていた。

もうここまで解説したら合う人は何それ読みたい!ってなっていると思うし合わない人はとうの昔にブラウザバックしていると思うので、とりあえず少女椿は良いぞとだけ言っておく。